好きなミステリー小説10選!
今回は、私が好きなミステリー小説を10個ご紹介していきます。
あなたにとっても気になる作品があればいいのですが…!
1.『容疑者xの献身』東野圭吾
『容疑者xの献身』は、謎が解き明かされる瞬間のカタルシスと胸を打つストーリーが両立した稀有なミステリー小説です。
『容疑者xの献身』は、探偵役である天才物理学者・湯川が、かつての友人である天才数学者・石神が犯した罪、その真実を暴き出す物語なのですが…
真相はまさしくタイトル通り。
しかしその「献身」は、読者の予想を大きく上回ります。
衝撃のトリック、そして「純愛」を貫いた犯人の慟哭には、涙を禁じ得ませんでした。
『容疑者xの献身』は間違いなく『ガリレオシリーズ』の最高傑作と言えるでしょう…。
ちなみに映画版も最高です。
堤真一の熱演には咽び泣きさせられました…。
2.『沈黙のパレード』東野圭吾
『沈黙のパレード』もまた、『容疑者xの献身』と同じく『ガリレオシリーズ』の作品です。
個人的には『沈黙のパレード』は、『容疑者xの献身』に次ぐ名作だと感じました。
『沈黙のパレード』のカギとなるのは「沈黙」。
ミステリーで「沈黙」といえば……そう、「黙秘権」です。
『沈黙のパレード』は、黙秘権の行使によって無罪を勝ち取った男への復讐劇。
しかし本作もまた、『容疑者xの献身』と同じく「愛」が大きなテーマになっているように感じました。
『沈黙のパレード』はドラマ版「ガリレオ」からの逆輸入シーンがあるのも、シリーズファンとしては嬉しいポイント。
また、いつになく真相究明に積極的な湯川先生(探偵役)の行動原理には『容疑者xの献身』が深く関わっており、ものすごく胸が熱くなりました。
3.『罪の余白』芦沢央
『罪の余白』は、いじめで娘を失った父親の復讐劇を描いた作品です。
復讐劇といえば、何らかの出来事によって復讐計画が頓挫し、「復讐は何も生まない」という結論に辿り着くのが刑事ドラマなんかではお決まりのパターンですが、『罪の余白』では復讐者が復讐をきっちりやり遂げるのがポイント。
でも、その復讐内容が衝撃的で、同時に納得感が強い点も特徴的。
かなり重いテーマの作品ですが、心が温かくなるような場面も多々あり、読みやすく、ミステリー初心者にもオススメしたくなります。
個人的には、芦沢央作品の中で一番好きなミステリー小説です。
4.『告白』湊かなえ
『告白』もまた、『罪の余白』と同じく「復讐」が大きなテーマになったミステリー小説です。
『告白』は「イヤミス」の代名詞として挙げられることが多い作品ですが、私はむしろ『告白』のラストシーンには、爽快感とある種の納得感を覚えました。
法で裁くことができない少年相手の復讐劇としては、これ以上なく残酷で、しかし教育的でもある作品だと思います。
ま、個人の復讐劇に無関係な人間がもらい事故しまくっている点に注目すれば、『告白』は紛うことなきイヤミスなんですけれどね!
5.『みんな邪魔』真梨幸子
『告白』が万人向きなイヤミスだとすれば、『みんな邪魔』は明らかに人を選ぶイヤミスです。
イヤミスの定義は「読んだ後にイヤな気持ちになるミステリー」ですが、『みんな邪魔』は割と読んでいる間じゅうイヤな気持ちになります。
「人間の嫌な部分」を直視させられるというか…。
でも、だからこそ『みんな邪魔』という作品には強烈に惹かれます。
叙述トリックを用いたどんでん返しが魅力ですが、それを差し引いても面白い小説ですよ。
6.『星降り山荘の殺人』倉知淳
「どんでん返しミステリー」をお探しの方に、私は『星降り山荘の殺人』を真っ先にオススメしたいです!
『星降り山荘の殺人』は「読者への真っ向勝負」が大きな魅力で、各章のはじまりには必ず、フェアさを重視した注意書きが書かれています。
たとえば、
「主人公は読者と情報を共有する立場であり、犯人では有り得ない」
「この章で述べられているこの推理は正しい」
などなど…。
したがって、読者はかなり注意深く『星降り山荘の殺人』を読むことになるのですが…それでも最後まで騙されちゃう。
私は叶うなら、記憶を消してもう一度『星降り山荘の殺人』を読みたいです…。
ミステリーというジャンルへの導入としてもオススメな小説ですよ。
7.『アリス殺し』小林泰三
『アリス殺し』は、ミステリーとファンタジーを組み合わせた斬新な小説です。
主人公・亜理は、毎日決まって「不思議の国」の夢を見ます。
そして夢の中でハンプティ・ダンプティが墜落死した日、現実世界でも大学で「玉子」というあだ名の研究員が屋上から落ちて死亡。
それ以降、夢での死と現実世界との死がリンクするのです。
「夢の中の話なら、何でもアリになっちゃうじゃん」と思いきや、読者に求められるのはあくまで常識的な推理のみ。
でも、夢の世界は支離滅裂かつ荒唐無稽で…そのギャップが面白いです。
ラストは圧巻の、世界ごとひっくり返されるようなどんでん返し!
8.『八つ墓村』横溝正史
『八つ墓村』は、かの日本三大名探偵、金田一耕助が登場するミステリー小説です。
私は金田一耕助シリーズに『八つ墓村』から入ったクチですが、めちゃめちゃ面白いんですよ…この小説…。
好みすぎて、「これこれ、こういうミステリー小説が読みたかったの!」と大興奮しっぱなしでした。
閉鎖的な田舎村「八つ墓村」に伝わる伝説。
それにまつわる凄惨な大量殺人事件を発端として、新たな惨劇が幕を開ける…。
ストーリー全体を覆う、土俗ホラー的な、古臭くじめじめとした雰囲気がたまりません。
『八つ墓村』では、探偵役=金田一耕助と、語り手である青年とがほとんど完全に別行動という点も特徴的。
だからこその、他のミステリー小説ではなかなか味わえない、真に迫る恐怖感があります。
9.『密室殺人ゲーム王手飛車取り』歌野晶午
『密室殺人ゲーム王手飛車取り』は推理合戦ミステリーです。
でも、たまたま起こった事件に探偵たちが挑む、という話ではありません。
主人公たちは1人の出題者(=犯人)と3人の回答者(=探偵役)に分かれ、順番にミステリーの問題を出し合うゲームを行っているのです。
それも、ただの推理ゲームではありません。
出題者は実際に殺人を犯し、それを題材にして探偵役たちに出題します。
殺人事件を起こすのだから、もちろんニュースにもなります。
でも、そのニュースさえも、彼らの中では「問題のヒント」としてしか扱われません。
この不謹慎さと、主人公たちの凶悪犯罪者らしからぬ(いや、逆に凶悪犯罪者らしいか…!?)軽快なやり取りがクセになる小説です。
10.『毒入りチョコレート事件』
『毒入りチョコレート事件』は、6人の探偵役が推理合戦する、多重解決モノのミステリー小説です。
面白いのが、「毒入りチョコレート事件」というひとつの事件に対し、8つもの推理が展開されるところ。
しかも読んでいくと、その推理のどれもが真実かのように思えてくるから不思議です。
『毒入りチョコレート事件』には、「ミステリー小説は作者の誘導によって、いくらでも「これが唯一の真実」と思い込ませることができるんだよ」と読者に知らしめる、アンチミステリ&メタフィクション的な構造になっています。
読んでいて本当に興奮するミステリー小説ですよ!
お好みの小説はあったでしょうか?
ほとんどの作品について、このブログでも紹介しているので、よかったら記事の方も読んでみてくださいね(*^^*)