5つ星の本棚

大好きな本をレビュー&オススメする書評ブログです。

15.『貧乏神が!』助野嘉昭

 

何度読んでもボロボロ泣かされる最終回…。

 

 

▼『貧乏神が!』はこんな作品

・貧乏神と超絶ラッキーガールの交流&成長を描いた作品

・めちゃめちゃ笑ってめちゃめちゃ泣ける

ギャグマンガ!だけど「別れ」というテーマもあり…

 

 

 

 

貧乏神が!』のあらすじ

 

主人公・桜市子は容姿端麗、頭脳明晰、文武両道、無病息災で欲しいものは何でも手に入れてきた超絶ラッキーガール

そんな市子をクラスの女子たちは激しく嫌ったが、市子はその視線や悪口すら自分を輝かせる糧としていた。

 

そんな市子の前に突然現れたのは、貧乏神の紅葉

紅葉は市子に、「市子が幸福エナジーを異常に持っており、さらに周囲からもエナジーを巻き上げる体質のため、地域のエネルギーのパワーバランスが崩れている」と告げた。

そう…市子が今まで様々な幸福を手にしてきたのは、膨大な「幸福エナジー(人が生まれながらに持っている、人を幸せにする力)」のおかげだったのだ。

 

市子に余剰な幸福エナジーの返還を求める紅葉だったが、市子はそれを拒否!

あの手この手で迫りくる紅葉の手を、市子は幸運持ち前のフィジカルで退け続ける!

でも、市子の前にはいくつもの試練が待ち構えていて…。

笑いあり、涙ありの名作ハートフルコメディ。

 

 

 

貧乏神が!』の感想・レビュー

 

貧乏神が!』は勢い任せのギャグマンガではありません。(勢い任せのギャグシーンも面白いけど)

「自分が変わった分だけ世界は変わる」

をはじめ、座右の銘にしたくなるようなセリフの数々…そして、その名言に強い説得力を持たせる、熱く深いドラマがあります。

 

アクションとギャグ盛りだくさんなので読み心地は爽快ですし、人気漫画やアニメのパロディシーンもめちゃめちゃ散りばめられていて、発見するたびに嬉しくなります。

以前ご紹介した『魔法の料理 かおすキッチン』キャラクターがまんま登場しているコマもあるので、両方読んでいる身としてはより楽しかったです。

(かおすキッチン登場シーンはパロディじゃなくてたぶんコラボ)

 

▼『かおすキッチン』の紹介記事はこちら!

 めっちゃオススメの漫画です!

issa5hoshi.hatenablog.jp

 

 

貧乏神が!』の凄いところは、「別れ」というテーマに、最後まで真摯に向き合っているところです。

フィクション作品における「別れ」って、結構曖昧にされがちじゃないですか。

単純に別れまでは描かれなかったり、

一旦別れても、いつかどこかで再会することが匂わされていたり…

それが悪いというわけではなく、読後感だけ見ればむしろそっちの方が爽快だとは思うんですが…

 

でも『貧乏神が!』は決して曖昧に終わらせない。

貧乏神が!』ほど「別れ」に真っ向から向き合った少年漫画もそうそうないと思います。

この作品を最後まで楽しんだ人なら、最終回で必ずズタボロに泣かされるでしょう…。

私は連載当時、リアルタイムで単行本を買っていた勢なのですが、もうね、咽び泣きましたよ

これまで読んだ漫画の中でTOP3に入るくらいの大号泣です。そのくらい心揺さぶられました。

 

 

貧乏神が!』は「笑いあり涙あり」のハートフルコメディなのですが、「笑い」と「涙」の高低差がめちゃめちゃ激しく、ジェットコースターのような作品です。

アツくて面白い物語が読みたい方はぜひ!!