1.『沈黙のパレード』東野圭吾
個人的には『容疑者xの献身』に次ぐ名作だと思います。
▼『沈黙のパレード』はこんな作品!
・2022年に劇場版公開予定!
・ドラマ版からの逆輸入シーン有
『沈黙のパレード』のあらすじ
あるゴミ屋敷の焼け跡から、家主の高齢女性と、3年前に失踪した若い女性の遺体が見つかった。
女性の殺害容疑で逮捕されたのは、23年前に草薙(刑事/ガリレオシリーズの中心的な視点主)に少女殺害容疑で逮捕され、沈黙を貫いた末に無罪となった男。
そして今回の事件でも、やはり証拠不十分で釈放されてしまう。
そんな容疑者が、町のパレードの日に死体となって発見された。
殺害方法は不明。
容疑者は、女性を愛した幾人もの人々。
彼らが貫く沈黙に、湯川(=ガリレオ)が挑む。
『沈黙のパレード』の感想・レビュー
『沈黙のパレード』の文庫化、私は何年も前から待っていました…!
そんな中、2021年の世に突如降り立った『沈黙のパレード』2022年劇場公開予定のニュース。
何を隠そう、私は「ガリレオシリーズ」にドラマ版からハマったクチでして。
映画化自体に大変興奮したわけですけれど、それ以上にこれは文庫化待ったなしだろう…!という確信に打ち震えました。
その予想は的中し、ようやく手に入れた『沈黙のパレード』…。
期待値爆上げ状態で読み始めたのですが、私の想像をはるかに上回る、素晴らしい作品でした。
『沈黙のパレード』は最初、被害者女性の父親視点で語られます。
失踪した若い女性が、どんな人物だったのか。
彼女がどんな風に生まれ、成長し、人々からどんな風に愛されてきたか。
そういったことが語られたあとに…父親のもとに、彼女が遺体で発見されたという知らせが届くのです。
もう泣きますよね。(開始14ページ)
本当に、読む人の感情を引きずり出すのがうまいことうまいこと…。
とはいえ、序盤~中盤は個人的には、割とまったり読めました。
容疑者は多いし殺害方法は分からないしで、完全に受け身で読んでいたせいもあるかもしれません。
しかし後半は…盤上を何度もひっくり返されるような驚きと快感の連続です。
そして事件全体の真実、さらに真相究明にいつになく積極的な湯川先生の行動原理が明かされたとき、形容しがたい興奮に包まれました。
ガリレオシリーズには短編・長編あわせて沢山のストーリーがありますが、『沈黙のパレード』は『容疑者xの献身』に次ぐ名作だと感じました。
特に『容疑者x』ファンには強くオススメしたい…!
その理由は、終盤の湯川先生のセリフを読んでいただければ分かるかと…。
『沈黙のパレード』の作中にはドラマからの逆輸入シーンもあり大変楽しいので、ドラマ版『ガリレオ』ファンの方にもぜひ読んでもらいたい作品です!